2023.9.15

お知らせ

産地探訪 幻のとうもろこし~北海道と静岡を繋ぐ物語~

早朝3時、収穫したばかりのとうもろこしを北海道は岩見沢より即座に空輸。なんとわずか半日で採れたてのとうもろこしがヒバリヤに。
このウソのようなホントの話は、空を越えヒバリヤの契約農家、岩見沢の『矢尾農場』さんと共に歩む物語。
北海道岩見沢市は、水稲を中心とした農業を基幹産業とし、小麦や大豆、たまねぎ、花卉などの生産が盛んです。この広大な丘陵地帯は、まるでヨーロッパの田園風景のような情景が広がっています。

去る8月下旬、ヒバリヤの契約農家の矢尾さんが、ホワイトショコラとうもろこしを8月下旬から、こだわりの男爵芋を9月中旬から出荷しています。また、その男爵芋を使用したポテトチップスを企画・販売している『矢尾農場』の矢尾卓也さんに、生産や品質管理について、環境への取り組みや新たな品種や商品の開発についてお話を伺いました。

※以下、ヒバリヤ:ヒ、矢尾さん:矢

ヒ:先ほど、とうもろこし畑で獲れたてのホワイトショコラをいただきましたが、獲れたては格別ですね!まるでフルーツのような甘さとみずみずしさでした。ヒバリヤでは、もう10年以上、矢尾さんの男爵芋やとうもろこしを販売させていただいていますが、この機会にヒバリヤのお客様にも矢尾さんの美味しい作物はもちろん、こだわりや人柄、思いをもっと知ってもらいたいと思います。まずは作物の育成や収穫のタイミング、お客様にお伝えしたい点についてお話しいただけますか?

矢:まず、とうもろこしは適期の糖度がのる短い期間があるんです。そのタイミングを見極めるのが非常に難しいです。お客様の食卓に届くタイミングで、私の考える品質であるかどうか、これは経験を元に、実際に実食して確認しています。また、3週間に分けて定植し、タイミングを見計らって適宜収穫しています。

ヒ:特にとうもろこしは鮮度が命ですからね。実際にヒバリヤに空輸していただく際は、早朝3時に収穫し、当日に店頭へということを行っていただいています。矢尾さんでは、北海道からの輸送を含めてお客様のお手元に届く時間から逆算して収穫を行っているわけですね。

矢:次にじゃがいもですね。じゃがいもは新じゃが、新しいものが美味しいというイメージがあると思いますが、じゃがいもは多少寝かせてあげたほうがうまみが増すので、ヒバリヤさんの場合は9月中旬から1月上旬まで、その時々の味わいが違うことを知っていただきたいです。

ヒ:具体的にどういった違いがあるのですか?

矢:収穫したてのじゃがいもはホクホクとしています。その後、時間が経つとだんだんとねっとりとして甘みが増していきます。採れたての時期はフライドポテトやふかしいも、甘みが強くなってきた時期はポテサラで召し上がっていただくなど、特性を生かしたお料理をしていただくのも楽しいかと思います。例えば肉じゃがでも新じゃがの時期と冬季では味わいの違いを感じていただけるかと思います。

ヒ:ありがとうございます。次に環境への取り組みや持続可能性について、矢尾さんが導入している取り組みはございますか?

矢:廃棄物は全て畑に戻すのは当然のことですが、それに加えて、化学肥料の使用を極力抑え、米ぬかなどの有機物による肥料を使用して土づくりと畑づくりに取り組んでいます。また、化学肥料の使用についても、全畑に均等に施肥するのではなく、苗や種子の横3〜4cmの位置にすじ状に施肥を行う側条施肥を採用しています。これにより、肥料の効率的な利用とエネルギーの省力化に貢献しています。

ヒ:持続可能性についても伺いたいのですが、現在取り組んでいる事例はありますか?

矢:今は試行錯誤を続けている段階ですが、通常廃棄してしまうとうもろこしの芯を活用してスープを作る試みをしています。

ヒ:とうもろこしの芯は、ミネラルやビタミンB群、食物繊維が豊富で、出汁にも使えると言われていますね。有効活用ができれば、フードロスの削減にもつながりますね。

矢:そうですね。捨てるところなしを目指して、農業を進めています。

ヒ:ありがとうございます。最後に新たな品種や製品の開発について、現在の取り組みや計画について教えていただけますか?

矢:実は、ポップコーンの製品化に挑戦しています(笑)。ただ、品種が異なるため、専用の設備や乾燥技術が必要です。ハードルは高いですが、製品化が成功すれば、面白い商品としてお届けできるかもしれません(笑)。

ヒ:現在、ヒバリヤでは、矢尾さんの農産物だけでなく、ポテトチップスやコロッケなどの製品も取り扱っています。その他、近日中に製品化される予定の商品はありますか?

矢:そうですね、新コロッケの企画が進行中で、近日中に製品化される予定です。また、スイーツの開発も進めており、具体的にはスイートポテトの試作も始まっています。

ヒ:すごいですね!矢尾さんの商品ラインナップはますます魅力的になってきますね。まさに『矢尾祭り』のようです(笑)。

矢:はい、こういったことができるのは、多くのご縁と協力があるからこそです。皆さんの後押しを受けながら、北海道や岩見沢、農家のことを知っていただけるきっかけになればと思います。

ヒ:ありがとうございます。ヒバリヤでも引き続き、矢尾さんの魅力ある農産物や製品を楽しみにお待ちしております。

矢:ありがとうございました。

この取材を通じて、矢尾さんの真面目で素朴な人柄、人間性、実行力、チャレンジ精神に触れることができました。今後も北海道からの美味しい作物やポテトチップスがヒバリヤに登場することを楽しみにしています。私たちは引き続き、産地との縁を大切に、お客様の元へ美味しい食材と生産者さんの思いを届けられるよう努力して参ります。